OASIS

モリー先生との火曜日のOASISのレビュー・感想・評価

モリー先生との火曜日(1999年製作の映画)
3.8
ALSに侵された教授が、死を目前としながらもかつての教え子に最後の授業をするという話。

モリー先生が語る「死に方を知っているから生き方も分かるんだよ」という、死を間近に感じているからこそ出てくる言葉には重みがあり、ジャック・レモンの徐々に衰えていく過程の生々しい演技も相まって、彼が画面に映る度にジンワリと瞳の奥底から涙が溢れて来そうになりました。

仕事に悩み恋人との関係がギクシャクしているかつての教え子に「怖い事から逃げている」と諭す先生は死の恐怖はとっくに克服している様に見える。
けれども死が怖くない人間などいるはずも無いし、そう考えると先生からの生と死についての授業は、その最期の瞬間まで自分の恐怖を抑え教え子への愛で溢れていたのだなと感じた。

生前葬や死ぬ前に送る家族への手紙というのも当たり前になってきた時代だからこそ、生きる事に必死になるよりも死について考え、残された時間をどう有意義に過ごせるかという事に主眼を置くと笑顔のまま逝けるのかなと思った。

余韻を残さないような編集や場面転換が急に感じたけども、テレビで放送されたものを編集したという事なのでそういう感じになってしまったのだろう。
かなりの違和感を覚えたのでそこは残念でした。
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