和哉

凶悪の和哉のレビュー・感想・評価

凶悪(2013年製作の映画)
3.5
記者の家庭の問題が蛇足としか感じませんでしたし、そこだけ普通のドラマを見ているようでチグハグな印象を受けました。
そして、事実がベースとはいえ創作物なので先生ことリリー・フランキーさんの演技も彼らしいといえばらしいのですが個性的でオーバーアクションで冷酷なサイコパスというよりはただの狂人のように見えました。

そして、一番冷めたのはラストシーンです。
「記者もこの映画を見ているお前達にも深い闇が存在する」といった誰でも理解しているような事を提示して終わったのが残念でなりません。
もし、あのシーンが心に深く刺さった人が多いのなら「人間は道徳の授業に出てくるような良心だけで構成されている訳ではなく、生まれや環境や状況次第では身勝手で自己中心的で自分が一番可愛いという部分が簡単に表に出てくる生き物だというごくごく当たり前の事実」を認識していない人が多いという事でしょう。
和哉

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