Pnori

凶悪のPnoriのレビュー・感想・評価

凶悪(2013年製作の映画)
3.8
なんて胸糞が悪い映画なんだ。

映画全編に漂う、掃き溜めのような臭気。
繰り返される性と暴力。それは表裏一体で非常に生々しい。
極悪非道を詰め込んだ救いのない話とは、まさにこういう映画のこと。

金儲けや一時の快楽のために、弱い立場の者から全てをむしり取り、用が済んだら虫ケラのように踏み潰しゴミに捨てる。
人の命をこんなにも粗末に扱うなんて。

ストーリーは時系列が前後して進んで行くので、初めはこの人たち悪い事してるなーくらいしか思わなかったけれど、それが繋がった時の恐ろしさに…ゾッとした。

主犯は人心掌握に長け、罪悪感を全く持たないサイコパス。敵も味方も関係なく、いらなくなったら抹殺させる。
普通の皮を被った常軌を逸する狂気に気付く者はいない。そのことに底知れぬ恐怖を感じた。

主人公をはじめ、出てくる奴らも皆どこかに闇を抱えていて重苦しい。
配役も絶妙で、狂気を飄々と演じるリリーフランキーと薄幸が似合う池脇千鶴は特にハマり役(笑)
ピエール瀧のチンピラぶりもビックリだし、山田孝之はちょっとイケメン過ぎるかなー(笑)

ラストで事件は一応収束するけれど、なんかすっきりしない。
いや、全然すっきりしないよ!!
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