さわら

嘆きのピエタのさわらのレビュー・感想・評価

嘆きのピエタ(2012年製作の映画)
4.5
ギドク作品は久しぶりだ。(事実、ギドク監督は3年間、山に籠っていたのだから至極当たり前のことだが)ギドク監督の作品を見るたび、韓国映画の力を強く感じる。羨ましい限りである。人にはそれぞれ大切なもの・得たいものがあり、それを手に入れるためにひどく苦心する。だからこそそれを失ったときの悲しみは大きい。それを知っている私たちは、ガンドという人物が加害者なのか、被害者なのかで迷うはずだ。それがギドク監督からのメッセージであるように。どちらにせよ、ガンドの血で書かれた線は見る人すべてに、心のキズとして残る。素晴らしい作品だった。