てつこてつ

真夏の方程式のてつこてつのレビュー・感想・評価

真夏の方程式(2013年製作の映画)
3.3
東野圭吾の原作は未読。

このシリーズでは、松雪泰子と堤真一の名演技が光った「容疑者Xの献身」、さらには個人的には出来としては上回った、その韓国リメイク版のほうに、より情感を揺さぶられたので、今作は、犯人像の感情を描き方の部分が、やや薄味に感じてしまった。

主要キャラクターの一人となる前田吟が、こういう役どころを演じると、どうしても「男はつらいよ」のヒロシにしか見えず、さすがに50作も続いた名シリーズのレギュラーは、イメージが付いてしまうもんだな。

そうは言っても、やはり東野圭吾原作物だけあって、謎解き部分の説明は丁寧だし、重要な役どころを演じる子役が上手すぎでも下手すぎでもない丁度いい感じの自然体の子供らしさが出ていて良かった。

何よりも、ロケ地となった西伊豆町浮島の入江の風景や海の美しさ、打ち上げ花火、常にミンミンと蝉の鳴き声が響きわたり、ジリジリと灼けるような炎天下のロケシーンは、タイトルにあるとおり真夏感を全面的に感じられ、もう一年半以上にも及ぶコロナ禍での旅行自粛でウズウズしている身としては、映像を見ているだけでも旅行気分を味わえたのが何より。

お芝居が上手い西田尚美のこういう役どころ、結構好き。逆に吉高由里子の良さがあまり活かされていなかったのは残念。
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