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くちづけのakayukiのレビュー・感想・評価

くちづけ(2013年製作の映画)
4.5
知的障害者が集まるグループホームの日常を笑いを交えて描きつつ、知的障害者に対する偏見、社会からの孤立を痛切に突きつけてくる作品。
知的障害者は一人で生きることはできない。「生きていく術が無かったら、生きていける世の中にするべきじゃないか!?」知的障害を持つマコの父、いっぽんの悲痛な叫びがいつまでも頭から離れない。
知的障害者と暮らす家族は、自分の人生を捧げて幸せを願っている。自分にもしもの時があれば……そんな不安を常に抱えながら。
本当に、こんなに残酷な物語はない。この現実は多くの人に知ってもらいたいです。

いっぽん役に竹中直人さん、娘に一心に愛情を注ぐ素敵な父親でした。マコはいっぽんの娘になれて本当に幸せ者。
マコ役に貫地谷しほりさん、うーやん役に原作者でもある宅間孝行さん、それぞれが個性的な知的障害の特徴を取り込みピュアに演じきっています。
全員の名前をあげたいぐらい役者陣は皆素晴らしかった。グループホームというワンシチュエーションの空間が一人一人の想いで満たされていた。

この作品を見るのは4回目かな。
何度見ても涙が出て苦しくなるけど大好きな作品です。
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