Meg77

くちづけのMeg77のレビュー・感想・評価

くちづけ(2013年製作の映画)
4.0
久しぶりに邦画観ました。
いつか観たいと思っていたけれど、辛そうで後回しにしていた作品。
想定以上に辛い作品でした。誰が悪いということはなく、あのラストを防げなかった歯がゆさが観客側にも残ります。


漫画家の「愛情いっぽん」は、知的障がい者の娘マコちゃんとふたりぐらしでしたが、障がい者自立支援施設にスタッフとして住み込みで働き始めます。
そこには何人かの障がい者の男性が暮らしていましたが、男性恐怖症のマコちゃんも皆に馴染んでいき、特に「うーやん」と呼ばれる男性と仲良くなり結婚の約束もします。
そのままの毎日なら良かったのですが、ある時愛情いっぽんは自分自身の病に気付き…という話。


知的障がい者が「社会で」生きていくにあたっての問題点がたくさん盛り込まれています。
障がい当事者だけでなく、障がい者の子供を見捨てる親、兄が障害者なことで自分の結婚を諦める妹、そして障がい者の子供を一人残して逝くことへの恐れなどなど、家族の側の困難さも知ることができます。

舞台は自立支援施設の中のみで、隣の家すらも画面には現れません。あとセリフの雰囲気も演劇っぽいなぁと思っていましたが、実際に舞台だった作品を映像化したようです。この劇作家の方の舞台をぜひ見てみたいと思いました。

一見の価値がある作品だと思います。
あとこのころの橋本愛さんが非常に好き。
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