長谷川

かれらに音楽をの長谷川のレビュー・感想・評価

かれらに音楽を(1939年製作の映画)
5.0
自分がハタチくらいの頃、クラシックにハマってよく弦楽をギターにアレンジして弾いていた。
初めてハイフェッツの演奏を聴いたフランキーが涙ぐむシーンがあるが、まさに自分も初めて聴いた時に、それまでのヴァイオリンというパートに対する印象を全てかなぐり捨てられるような感覚に陥った事を思い出した。

正確無比で恐ろしいまでに硬質で透き通ったトーンでありながら冷酷ではない。
そんな唯一の音を持つと言う事は、音楽家にとって目指す頂点であるように思う。
この劇中に演奏されるメンコンは、個人的にハイフェッツの演奏の中でも特に好みでここだけでも見る価値がある。

これまでハイフェッツの話ばかりになってしまったが、クラシックな映画として十分に楽しめる作品で、ある程度音楽が好きな人なら楽しめるであろうと思う。
一見の価値あり。素晴らしい作品。
長谷川

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