ベルベー

インポッシブルのベルベーのネタバレレビュー・内容・結末

インポッシブル(2012年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

生まれた場所や時代が違えば当然価値観は変わる。もちろん体験によっても。なんでこんなこと言うかというと、「インポッシブル」を観た後、自分が違和感を抱いたのは製作陣のせいだとは言えないから。

スマトラ沖地震に巻き込まれた一家を描く本作。根底にあるのは、彼らにとって地震は「非日常」でありたまたま巻き込まれた不幸であるという考え。それは何も間違ってないと思う。彼らにとっては本当にそうなのだから。奇跡的に再会することができた一家が本国に戻るところで映画は終わる。爪痕が残り続ける土地で生き続けなくてはならない人達と違って。極論、彼らにとって震災は「他人事」だと言える。仕方のないことだけど、僕はモヤモヤした。

バヨナ監督がホラーファンタジーを得意とする人というのも。こういう見せ方は一つの方法だし、ハイレベルだと思うんだけど、現実ってそうじゃないよねって。津波がとにかくリアルなこと含め、震災・津波を巧くエンタメに昇華されたことへの拒否反応はある。「Fukushima50」もそういう側面はあるのだけど、自分事か他人事かっていうスタンスの違いは出るよね。

しかしスペインの映画にこれだけの豪華キャストが揃ったのは特筆すべきことが。バヨナ監督への期待の表れだよね。その後ブロックバスターをしっかり成功させるわけだし。ユアン・マクレガーの泣きの芝居とかナオミ・ワッツの死にそうな形相とかやっぱ凄い。驚いたのはトム・ホランドで、ちっさっていうのと、撮影2010年ってそんな前じゃないじゃない…その頃には彼こんなにちっさかったの…っていうショックと笑。まあ14歳にしても童顔だとは思うけど。存在感はこの頃から凄い。
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