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インポッシブルのKのレビュー・感想・評価

インポッシブル(2012年製作の映画)
4.2
2004年スマトラ島沖地震。実話ベース。前置きはかなり短め。息を呑む津波描写。水の中のくぐもった音。凶器となるガラスや木の枝。人体のなんと軟らかく脆いことか。現地の人々。病院。携帯電話。バッテリー残量。夢の映像…心の傷。災害そのものが通り過ぎたからといってそれで終わりじゃない。それぞれがそれぞれの「文字」に目を落とし光が差す描写にうなる。全体を通して東日本大震災と重ね合わせずにはいられない。押しつぶされそうな感情、涙。圧倒的なリアリティと説得力。それと同時に過度な演出はせず嫌味っぽさも与えないのだからすごい。約10分ほどのエンドロール。ラスト1分半あたりに監督のメッセージ。もし自分がこの立場だったら…さまざまな目線で何度も考えさせられた。
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