コマミー

インポッシブルのコマミーのレビュー・感想・評価

インポッシブル(2012年製作の映画)
4.5
[痛みと希望の彼方]

「ジュラシック・ワールド」の続編を手がけた、J・A・バヨナの監督作。スマトラ沖の大地震に遭遇した、実在するある家族の物語。

津波によって、一度は引き裂かれながらも、希望を失わなかったその精神は素晴らしかった。中でも、長男のルーカス。津波による怪我を追って、徐々に弱っていく母親を看病しながらも、家族を探し続ける勇気に感極まる。
ストーリーの一つ一つが、涙を誘う作品だった。こんなに涙を流したことがない。それにこの作品、あまり音楽を強調しない作品なのだ。

普通、シーンに対して音楽は大音量で流すものだが、この作品は音楽は微かに流れる程度なのだ。これは、津波のあとの凄惨な状況を描くための演出なのではと思った。

そして、身体の傷、汗、そして太陽の遮光。全てが、本当に美しく感じる作品はこの作品が初めてだった。
トム君の演技と、ナオミ・ワッツの演技が素晴らしかった。こんなにリアルに演じきる役者はいない。

高3のときに初めて観たときは、本当に涙というよりも、驚きの方が強かった。そして今、鑑賞してみると、この作品が本当に貴重な映画体験だったと思いしる。きっと、この日本にとっても…。

引き裂かれた家族…。

痛みと悲しみを超え、希望に変える…。

[会える]と信じて…。
コマミー

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