nao22

ぼっちゃんのnao22のレビュー・感想・評価

ぼっちゃん(2012年製作の映画)
3.7
不器用で不自由な人しか登場しない。
気持ちが悪くて、理解ができない彼らの世界。
でも全員必死だ。

私は嫌いではないです。

元々、秋葉原無差別殺傷事件の犯人がモデルになっていて、事件を起こすまでの経緯等が描かれています。
どこまでが事実なのか、脚色なのかわからないけれど、こんなふうにどこにも助けを求められず、「もっとうまくやればいいのに」って言われてもできない人、溢れてるよね。世の中に。
いつ、誰がこんなふうに間違った方向に暴走してしまうかわからない。

性描写や暴力シーン、脚本のすべてが痛々しいので、関係ないこちらの心まで尖った棒で突っつかれているような不快感・不安に終始苛まれます。

彼に同情してしまう、彼は間違ってしまったし、被害にあった方たちがいちばん……だけれど。
心に整理のつかないもやもやが残る映画です。

最後に水澤紳吾さん、素敵な役者さんだと思います。
nao22

nao22