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ザ・ワーズ 盗まれた人生のおにぎりのレビュー・感想・評価

ザ・ワーズ 盗まれた人生(2012年製作の映画)
3.7
映画の中の小説、の中の小説、の中の小説…ん?
頭が混乱する。どこで線引きしたらいいのか、、、

肝心の現実よりも小説の主人公、若しくはその中の小説の主人公に感情移入してしまう。其々の主人公にとてもリアリティが有るので、その階層に移る度に、そこでの出来事を現実と思い込んで観てしまう、と言う錯覚に陥りながらストーリーを追っていました。
途中から自分自身がどこに主体を置いたら良いのか解らなくなる、と言う精神的な浮遊感に襲われます。そう言った意味で非常に興味をそそる作品です。

加えて個人的には、10回以上動画配信が切れるという、その度に本当の現実に引き戻されながら、合計4階層を彷徨うのはなかなか面白い体験でした(笑)

少し気候が良くなって来たこの秋にぴったりの、叙情的な文学の香り満載の隠れた中々の名作です。

※時期的にこの作品が扱う主題と現実の日本の状況がマッチし過ぎて怖いです。人のものを盗んでブレイクするとどうなるか、確か「ニュースの天才」でも同じようなこと書いた気がするなぁ…ε-(´∀`; )
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