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プッシャー3のarchのレビュー・感想・評価

プッシャー3(2005年製作の映画)
4.3
プッシャー完結編。このシリーズは大きな流れがある三部作ではなく、「誰もが大きなカネと人の連鎖の中で生きている」のだと三人の人生を通して描いたシリーズであった。
誰もが誰かにお金を借りて、お金を貸してを繰り返し、人と交流して関係を築く。その連鎖こそが人生なのだ。1歩間違えるとその連鎖はどこまで負の連鎖として地獄へ引きずり落とそうとする。
今作の彼は、どこかその連鎖を理解していて抜け出そうとしていたように思えた。だからこそ薬を辞めようとおもってたのだろう。だが、そんな簡単に連鎖からは抜け出せない。社会で今自分がいる立場から這い上がることの難しさをこの映画は、冷淡なかつ荒いカメラワークで突き放したようなに撮る。

この映画は、過去2作と比べても非常に出来がよく、多分それは過去2作より単純に頭が良いからストレスレスだからなんだろうなと思った。
最後のクライマックスの一連のトンカチでの殴打から死体処理までの流れも最高。
本当に悪くない終わり方でした。
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