平田一

マニアックの平田一のネタバレレビュー・内容・結末

マニアック(2012年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

マネキンしか愛せなかった青年が主人公で、アンナという女性と出会って、現実が混乱する。という風に書けば簡単かもしれないね。

けどこの映画、単純なスラッシャー映画になっていなかった。序盤の凶行は言うなれば、セックスの延長線上の行為に見えてたし(タランティーノの『デス・プルーフ』の犯人もそうだった)、アンナと出会って以降の凶行には若干の変化あり。特にアンナのスポンサー(?)を殺害するあの下り、アンナを侮辱されたことへの怒りも内在してた気が…けど殺人衝動と本性は変えられず、初めて出会えた理解者さえとも、最悪の結末へ…。

イライジャの熱演で映画が一種の悲劇模様へ帯びていくのも哀しいし、このあたりはデイモンの『リプリー』観てると尚くるね。

結局のとこ、犯した凶行、自分に巣食うトラウマをどこかで向き合うことが出来なきゃ、悲劇一択なんだな…。

しっかしラストは『死霊のえじき』のローズ大尉やったなぁ(笑)。
平田一

平田一