にこ

ティモシーの小さな奇跡のにこのレビュー・感想・評価

ティモシーの小さな奇跡(2012年製作の映画)
3.5
子供向けのファンタジー映画のようで、内容は大人向けなストーリーでした。
子供に恵まれず医者からも見放され、絶望した晩。
夫婦二人で最後にしよう、と自分たちの子供の夢を語りメモに残していく。そのシーンが微笑ましくも愛があるのに恵まれない悲しさがすごく切なかった。
そのメモを庭に埋めた夜、足に葉っぱの生えた少年ティモシーが二人の目の前に現れる。

ティモシーは特別何か力を持っているわけではなく、むしろ無知ゆえに鈍臭い。
だが、二人があの晩願った我が子の思いがすべてティモシーに与えられているのは言うまでもない。
「決して諦めない」
「優しいハートを持っている」
「バブおじさんのように面白い子」
「バカ正直な子」
「ロック」
「鉛筆を持ったピカソ」
「いつも前向きな子」
「一度だけサッカーで決勝のゴールを決める」
そんな想いの詰まったティモシーはみんなに幸せを振りまくんだけど、一番ティモシーが与えたのはシンディとジムの二人。
"自分の子供"を産みたいと願っていた二人は、"子供"を持つということの幸せと困難さと親になる、ということをティモシーから教えてもらうことになる。
自分の子供でなくても、親として子供に愛情を注ぐことができる。
そんな家族の形もあるということをファンタジーでかわいらしく描いているように思います。

自分の子供でも愛のない親も多くいるこの世の中、こんな親が(親バカっぷりもなかなかでしたが)増えればいいのになぁと考えてしまいます。

私の子供ならば、きっとケンカがきらいな子で、人より優しい子で、映画が好きで、クルマよりバイクが好きで、リレーで一位なって、ゲームより外で遊ぶことが好きな子だ。
にこ

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