地球外生命体

セデック・バレ 第一部 太陽旗の地球外生命体のレビュー・感想・評価

3.1
台湾で大ヒットを記録した『海角七号 君想う、国境の南』のウェイ・ダーション監督が、日本統治下の台湾で起こった台湾先住民族セデック族による抗日暴動【霧社事件】を全2部作で描いた歴史大作の前編。

2011年アカデミー外国語映画賞台湾代表作品。

台湾中部の山岳地帯に住む誇り高き狩猟民族・セデック族。その一集落を統べる頭目の子モーナ・ルダオは村の内外に勇名を轟かせていた。1895年、日清戦争で清が敗れると、彼の暮らす山奥にも日本の統治が広がり、平穏な生活は奪われていく。それから35年、頭目となったモーナは依然として忍従の日々にあった。そんななか、日本人警察官とセデック族の若者が衝突したことをきっかけに、長らく押さえ込まれてきた住民たちが立ち上がり…。

ジョン・ウー、テレンス・チャンらもプロデューサーを務め、プロダクションデザインの種田陽平、日本軍人役の安藤政信、木村祐一ら、日本からもスタッフ、キャストが参加している。

【 霧社事件 】
1895年(明治28)から1945年(昭和20)までの50年間に及んだ日本統治時代の台湾では、植民地政策による近代化が押し進められ、新しい文明や教育がもたらされる一方、原住民族独自の文化や習慣がないがしろにされ、一部では過酷な労働と服従を強いられるようになっていた。そうしたなか、日本人警察官との間で起こった小さないざこざが原因で、1930年10月27日に発生した先住民族による武装蜂起、日本統治時代後期における最大規模の抗日暴動が【霧社事件】である。

霧社セデック族マヘボ社の頭目モーナ・ルダオを中心とした6つの社(集落)の男たち300人ほどが霧社各地の駐在所を襲った後、霧社公学校で行なわれていた小学校・公学校・蕃童教育所の連合運動会を襲撃。日本人のみが狙われ、134人が殺害された。これに驚愕した日本軍の反攻により、多くの戦死者・自殺者が。蜂起した6社の住民約1000人が死亡し、生存者約550人が投降した。その後、投降者の収容所を同族が襲う【第二霧社事件】の悲劇を経て、生き残った人々は霧社の西方、川中島への移住を余儀なくされる。

セデック族は、戦った相手の首を狩ることで真の男になれるという観念と習慣を伝統とする民族だった。

【原題/賽德克·巴萊(Seediq Bale)】
『セデック・バレ』とは『真の人』を意味するセデック語。
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