ちろる

SHORT PEACE ショート・ピースのちろるのレビュー・感想・評価

SHORT PEACE ショート・ピース(2013年製作の映画)
3.7
大友克洋、森田修平などさまざまなクリエーターによる短編オムニバス。
まったく違うテイストながらも日本ならではの美を所々に魅せるアニメーションたちに引き込まれる。

「オープニング」
日本版不思議の国のアリステイスト?
さあ、少女はどこに向かうのだろうか?

「九十九」監督 脚本 森田修平
日本版注文の多い料理店的な、妖怪の館。
最初の傘カエルが可愛い。
襖絵とか、組み木、番傘、鮮やかな反物
日本ならではの繊細な美がたくさんとある
そして旅人よ、器用すぎるぜ!
現代人が忘れ去ってしまった、リサイクル精神を旅人さんが教えてくれるエンタメ性たっぷりの教育アニメ。
エンディングの苔むした森の映像が好きです。

「火要鎮」監督 脚本大友克洋
恐らく「八百屋お七」からインピレーションを得た作品。
江戸の大火事をこのまでに丁寧に描いた作品は見た事ない、迫り狂う火と女の慕情を生々しく表現し、まるで生き物のような炎のアニメーションがお見事。
絵巻物のような古風な絵も好みでした。

「GAMBO」監督安藤裕章 脚本石井克人/山本健介
GAMBOと鬼の死闘がとにかく劇画チックで圧倒される。
人間よりもよっぽど人間の心を理解できるGAMBOを理解せず、崩壊に向かう村。

「武器よさらば」監督 脚本カトキハジメ
荒廃した近未来の新宿を舞台にしたとある5人の兵士たちの戦い。
過去から急に未来に飛んだようでテイスト違いすぎた・・・
無人兵器という血の通わない相手との戦闘はなんとも恐ろしい。
繊細なタッチの戦闘スーツや、とうに死んだような近未来の景色に圧倒される。
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