さうすぽー

狂武蔵のさうすぽーのレビュー・感想・評価

狂武蔵(2020年製作の映画)
3.3
自己満足点 63点

宮本武蔵対吉岡一門400人との対戦をキングダムで左慈を演じた坂口拓主演で77分ワンカットでのアクションで描いた本作。

宮本武蔵の76人斬りという実在する伝説を元に「400人斬りの77分ワンカットアクション」にして描かれるという題材に興味を持ちました!
元々ワンカットの部分のみ数年前に撮っていたそうですが、それに前後のストーリーを加えてようやく公開が決まったとのこと。
洋画等で「何分ワンカット!」という作品がありますが、77分間のワンカットアクションは聞いたことが無かったので新鮮でした。

結論としてはまあまあ楽しめました。
ワンカットであるが故の弊害は結構ありましたが、アクション映画として楽しむことが出来ました。

まず、アクションシーンの77分ノーカットで撮ること自体が無謀にも程がありますが、それゆえに臨場感と緊張感が伝わります。
何と言っても、坂口拓が400人を相手にしないといけないので1時間以上その緊張感でいないといけないと思うと物凄く過酷であることが想像つきます。

撮影中に起きた怪我や満身創痍になってしまったエピソードを聞いてたのですが、その怪我した状態の後半の方が動いてます(笑)
ただ、そんな過酷すぎる場面だからか、後半になるにつれ、彼の表情に辛さが目立ってきて、それゆえに良い意味でアクション自体に緊張感がじわじわと伝わってきます。

ワンカット場面では極力台詞を発しない状態のため、野性味や表情が見易いのと同時にある中盤の台詞から武蔵としての覚悟が伝わりました。

ただ、そんなワンカットですが、ワンカット故の良くない部分も目立ちました。
斬られても血があまり出ない時もあったり、後ろに回り込んでるのに何故か敵が背後から全然斬ってこなかったり、結構突っ込みどころもあります。

また、時折名前を名乗る侍が登場するのですが、強敵かと思ったら最後の人物しか殺陣が長く続かなかったり、不満点もありました。

あと、山崎賢人は正直必要性が解らなくて、話題作りや観客集めの材料にしか感じませんでした。

まぁ、色々と不満は言いましたが、アクション好きとしては好きになれそうな映画でした。
改めて、ワンカットアクションを行った坂口拓に大きな拍手を送りたいです!👏