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チャット 〜罠に堕ちた美少女〜のtheocatsのネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

ネタバレ
自分だけは特別に愛されていると思い込み、

レイプを頑なに認めないどころか犯人を信じ続け、心配する親や友人さえ強固に撥ね付け敵視。そんな少女を描いた痛ましすぎるドラマ。

正直最初の方で在り来たりな米国ホームドラマを見させられそうでうんざりし中断しようとしたが、雲行きが予測とは違う奇妙な方向に動き出し視聴続行。
見てなる程ねの結構深刻な内容になかなか考えさせられた。

肝は最初に書いた少女。客観的にはレイプだが主観的思い込みが激しすぎて犯人を信じ続け周囲を全部敵視し固い殻に閉じこもる様は痛ましいと共にこちらが腹立ってくるほど。

母親は娘のケアばかりに傾注し過ぎだし、父親は犯人探しに躍起になり過ぎ。3者それぞれが一歩も譲らない自分中心主義なもんだから、特に娘と父親の溝は深まるばかり。
その時の娘の父親に対する敵愾心の強さは度が過ぎた異常ささえ漂っていた。
この点では娘役が迫真の演技をしていたと言える。

その貝殻に閉じこもった娘の心境に変化がもたらされるきっかけが、ほかに同年代の3人のレイプ被害者がいたということ。「自分だけ特別に愛されていた」という幻想が崩れ去った後の悲劇的心情と激しい慟哭は痛ましいと同時にこちらも安堵できた場面。ようやく間違った固いガードが取っ払われたというね。

結局犯人は捕まらずのうのうと〝一般市民”として生活し続けているという実に後味悪いエンドもあえてそうしたのだろう。これからもSNS絡み騙し偽装による少女レイプは絶えることはないだろうという警告の意味合い的な。
032103
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