『孤独のグルメ』で知られる漫画家の谷口ジロー原作ということでずっと気になってました。
タイムスリップものではあるけど、大袈裟なファンタジーではなく、静かな流れの中で描かれる郷愁を誘う作品。
👇以下、ネタバレ含みます⚠️
主人公は漫画家。電車を乗り間違え、とっさに降りた駅は偶然にもかつて自分が生まれ育った町だった。町を探索し、母のお墓の前で倒れ、目が覚めると14歳の頃にタイムスリップしていた。
タイムスリップした日は、父が失踪する数日前。なぜ失踪してしまったのか、ずっと気になっていた真相を確かめ止めようとするが…
中身は大人のまま見た目は14歳になるため、母や妹に優しくしたり、大人びた少年なのがよかった。冒頭で妻にも娘たちにもまるで興味を持たれていなかった主人公。自分が大人である今、父の失踪した時の気持ちがわかったことが切ない。ハッピーエンドじゃないところが素敵な作品。
かつては栄えていた町が現在は閑散としている描写は素晴らしい。再現された街並みや田舎の風景が美しかった。
谷口氏がフランスで人気が高いのは知らなかった。ご本人も数秒だけどカメオ出演して、ちょっとギョッとした。
原作をリスペクトし、雰囲気を壊さないよう作っているのが伝わってきた良作でした。