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遥かな町へのleylaのレビュー・感想・評価

遥かな町へ(2010年製作の映画)
3.8
『孤独のグルメ』で知られる漫画家の谷口ジロー原作ということでずっと気になってました。
タイムスリップものではあるけど、大袈裟なファンタジーではなく、静かな流れの中で描かれる郷愁を誘う作品。

👇以下、ネタバレ含みます⚠️













主人公は漫画家。電車を乗り間違え、とっさに降りた駅は偶然にもかつて自分が生まれ育った町だった。町を探索し、母のお墓の前で倒れ、目が覚めると14歳の頃にタイムスリップしていた。
タイムスリップした日は、父が失踪する数日前。なぜ失踪してしまったのか、ずっと気になっていた真相を確かめ止めようとするが…

中身は大人のまま見た目は14歳になるため、母や妹に優しくしたり、大人びた少年なのがよかった。冒頭で妻にも娘たちにもまるで興味を持たれていなかった主人公。自分が大人である今、父の失踪した時の気持ちがわかったことが切ない。ハッピーエンドじゃないところが素敵な作品。

かつては栄えていた町が現在は閑散としている描写は素晴らしい。再現された街並みや田舎の風景が美しかった。

谷口氏がフランスで人気が高いのは知らなかった。ご本人も数秒だけどカメオ出演して、ちょっとギョッとした。

原作をリスペクトし、雰囲気を壊さないよう作っているのが伝わってきた良作でした。
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