ちろる

きっと、うまくいくのちろるのレビュー・感想・評価

きっと、うまくいく(2009年製作の映画)
4.0
友情、恋愛、家族愛色々な愛が沢山詰まった感動のオンパレードでした。
笑あり涙あり、感動あり
という風に書くとちょっと軽々しい気がしますが、3人の男の友情を軸にしながら、インドの学歴主義の社会をバッサリ風刺し切り込んでいました。
落第することが自殺に値するほどにどんどん学生を追い詰めていくインドの学歴社会。
そして日本のインドほどでなくても紙一重なので、なんだか人ごとではない気がしました。

大学の目的は単位を取ることじゃない。
勉強は点数の取り方を教わることじゃない。
なんて言えるランチョーみたいなヒーローなんて現実にはなかなか居ないと思うけど、この映画のランチョーにもっと若いときに出会いたかった。
でも子どもをこらから育てて、色んな夢を託そうとする親たちにも見て欲しい。

ランチョーの言葉は正しくても、どうしても日々の暮らしや、目の前の利益を充実させるために生きるために大切な想いを忘れてしまいがちだけど、まっすぐに正直に生きる3バカを見てると、人生まっすぐ楽しめ!と喝を入れられているように感じました。

勿論Bollywoodらしく、ダンスや歌が突然入ってきますが、この映画を観ていると、そういう明るいダンスや歌はきっとインドの貧富の差の大きさや圧迫した社会の中で、見出した唯一の通気口なんだろうなという気がしてきます。

いろんなテーマが混在していて、3時間とわりと長めな映画ですが、中盤から後半にかけて本当にグイグイひきこまれていくし、登場人物にも真の悪者が出てこないので、とってもあったかい気持ちのまますっきりとした晴れやかな気持ちで観終えることができました。
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