みゅうちょび

アンチヴァイラルのみゅうちょびのレビュー・感想・評価

アンチヴァイラル(2012年製作の映画)
2.6
これは……わっけわからないんだけども、大好物な映像世界。

映画館で観たかったな。大画面だと、あたかも映像の中に呑み込まれているような感覚を味わえる気がする。2Dだけど3Dのような…遠近感が半端ない。
クローズアップされる物体のテキスチャーや、人の肌、瞳… 凄く近くて美しく、無菌室のような真白な映像がコピーガード付き(⌒-⌒; )の病原体という設定を面白く引き立てていて好きです。

監督はブランドン・クローネンバーグ。音や映像センスの良さは父親譲り。かと言って真似してるというのでもなく。もしかしたら、最近は父親がこの息子の影響を受けてるのかな?とも感じました。しかし、まだまだ実験的な感が強く、次の作品でどうなるのかが楽しみでなりません。

父親であるデヴィッド・クローネンバーグの作品が内臓系とか言われたのに対し、こちらは細胞系?しかし、やはり血と肉と粘液…を随所に視覚だけでなく感覚で感じるというパワフルな映像を楽しませてもらいました。ずっと目が離せなかったです。

父の代表作である「ビデオドローム」の人体破壊と再生からの影響を多大に感じます。

病原体としてのウィルスの増殖をコントロールすることが可能になった近未来。人々のセレブ達への関心は病的なほどエスカレートしており、憧れのセレブ達の身体から採取したウィルスを購入し自分の身体に取り込むというビジネスが大流行り。それを商売としている大手企業の優秀営業マンでありながら自分の身体を使って商品を盗み裏取引している主人公が自らも心酔しているセレブの病原体を身体に入れてからとんだ事態になるという…

ふーむ…分からなくもないです。好きな人から感染した風邪なら愛しくすら思える…という感覚。。。その人の血を自分の身体の中に入れ、同じ痛みや苦しみを味わえる?(⌒-⌒; ) しかも自分だけが!話はさらに発展して(°_°)!な展開を見せますが、これ…あり得ないようで…あり得ると思ってしまいました…
や…わたしは…やらないですよ!やですけどね…!

それが商売になるってのは、かなり病んだ世界ですが… 人々が1人のセレブに熱狂し心酔することの誇張的表現がこの映画なのですかね?

作品としては、映像に過信し過ぎて、登場人物や話の掘り下げが浅い上に説明不足で、この主人公の最後の行動には…あれれれれ?なおいてけぼり感。
魅力的であるはずのセレブ達がたいして魅力的でないあたりは、世間の熱狂ぶりがいかにバカバカしいものかを表すためなのですかね?
にしても、主人公があれほどまでして心酔しているセレブがサラ・ガドンというのが…やはりなんか足りない感…綺麗だけど…カリスマ性は全く感じないかなぁ…

一方で主人公を演じるケイレブ・ランドリー・ジョーンズの病みっぷり炸裂演技は凄くて、彼のファンには辛い映像てんこ盛りではありますが、彼の体温や(いつも熱計ってます)肌にすごーーーく近づいているような感覚を味わえるのは間違いなく、それこそわたしも彼に添い寝して、病気うつされたいーーー!って思う女子には萌え〜な作品です… ほんとほんと!

本作、わたしは買いだと思いました( ̄+ー ̄)
みゅうちょび

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