みゅうちょび

ハングリー・ハーツのみゅうちょびのレビュー・感想・評価

ハングリー・ハーツ(2014年製作の映画)
3.4
観てる間(妊娠して以後)ずーっと心が胸糞感で満杯になり、解消されることが無い…
そして、衝撃のラストですら胸糞であったが、もう自分の心が耐えられない状態だったせいか無理にでもカタルシスを求めて大きな声で「もーーー!ぜんぜん許します!!」と叫んでいた。

わたしが最も苦手とする、スピリチュアルな思考で現実を否定するとか、過度な健康志向で半ば陰謀論的な思考を自分だけではなく周囲にもそれを押し付けるとか、自分の信じるもの以外を認めないとか…そして過剰な食事制限で自分が栄養不足になっていて脳もちゃんと働かなくなっていることに気づかないので、人からその危うさを指摘されても、あーだこーだと理解しない(多分もーこの段階では、脳に栄養がいっていないので思考回路がおかしくなっている)。

なんでこんなに具体的に言うかというと、身近にそう言う人が存在し…この映画の主人公の危うさを体感しているからなのだ…💦

非常に恐ろしいホラー映画のような作品でした。

母親が自分の身体から産まれ出た子供を自分の身体の一部のように扱い、全く子供のアイデンティティを無視していることが、この子の名前を呼ばないことでも分かります。

幸せな結婚の筈だったけれど、出産がどれ程母親の精神状態に影響を及ぼすかも良くわかる。産後鬱とかよく言われるし、それほど大変なんだよね。
その大変さが夫には分かっているようで分かっていないから、この映画のようになってしまう。お互いを疑えとは言わないけれど、夫も子育てに母親と同じくらいの関わり方が出来ていれば、子供が栄養不足に陥ったりすることは避けられたかもしれない。

この映画って、狂った母親とその母親から子供を救おうとする夫という構図に見えるけど、夫も子供の名前を呼ぶ場面がないことからも、夫にとっても所有物と言う描き方なんだと思う。

母親が子供の名前を呼ばないのは、自分の一部だから。そして夫や姑が名前を呼ばないのは所有物だから、そう言う設定に敢えてしてる気がする。

で、またちょっとイラッとするのはホラー映画の法則を取り入れてるとこよねー。

やっちゃいけないことをサラッとやって窮地に陥る的な。

もう信用していない筈の母親を何の迷いもなく赤ん坊と2人きりにさせる。

外で犬が鳴こうが、そんなこと気にしてないで、それより危険な母親から目を離すな!と叫びたい!

胸糞があまりに詰まっていたので、わたしの精神も崩壊しそうであった。

狭い部屋の中をテレンス・マリックっぽい魚眼レンズで撮影したみたいな効果は、より閉塞感が出て怖かった。

必要な栄養はちゃんと摂ってーーーー!!
みゅうちょび

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