ぶちょおファンク

アンチヴァイラルのぶちょおファンクのネタバレレビュー・内容・結末

アンチヴァイラル(2012年製作の映画)
1.5

このレビューはネタバレを含みます

序盤★2 中盤★1.5 終盤★2

ド変態の巨匠デイヴィッド・クローネンバーグ監督の息子初監督作。
その偉大なる親父のおかげか?
マルコム・マクダウェル(『時計じかけのオレンジ』)が出演していて驚いた!

序盤はクローネンバーグ印の奇怪な描写(オマージュ、御家芸とも言える)もありマシでしたが、終盤はただただ直接的にグロいだけで親父、そしてもうひとりのド変態・鬼才D.リンチ監督のようなセンスは感じない!
(親父と同じ土俵(世界観・ジャンル)で勝負するから当然比べる…)

世界観は変態ちっくで大変に面白い。
セレブ(偶像)のすべてが商売になる近未来を舞台に主人公シドが罠に嵌められるサスペンス。

偶像崇拝の究極はその対象になりたい(近づきたい)!
やと思いますが、今作はその願望をできるだけ叶える手段の行き着いた先としての発想はなかなかぶっ飛んでいて評価できる。

しかしシドにキャラの魅力をあまり感じず、
単に物語に操られる人形程度でしないのが惜しい。(ヒトによってはそこが良いんでしょうけど…)
大金が欲しくて闇ビジネスをするギラギラ感があるでなし、
ド変態で趣味と実益を兼ねるネットリ感があるでなし、
なんとなく暗い奴くらいのキャラ…。
まあ最後の最後にようやくシドの変態性は現れますが、
物語を引っ張る主人公としては弱い。
少なくとも『時計じかけのオレンジ』の主人公アレックスほどのキャラはない…って当たり前ですが!

そして生と死にはエロスも大切な要素ですがその描写も薄く、
全体の映像もワンパターンな色彩と構図でセンスを感じなかったのでマイナス点!

2019年170本目