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エンディングノートのmitzのレビュー・感想・評価

エンディングノート(2011年製作の映画)
1.5
末期癌を宣告された父親を撮り続けた娘の実録ドキュメンタリーです。死が迫るおじさんと大切な家族を失う覚悟を持ちながらも、気丈に振る舞う双方の姿はたしかに心揺さぶられるものがあります。がテーマが重厚なだけで、逆に言えばただの家族のホームビデオを映画化した自慰行為公開作品にしか過ぎません。そして最大の欠点はこれを映画化した意義について、最期まで故人が何も語っていないことです。実際にそこがあるのかないのかはわかりませんが、それを抜きにしたこの作品はただビジネスなのでは?という疑いが最期まで残ります。後半に夫を看取る妻が「二人だけにして欲しい」と言い、残った家族が病室を去る場面があります。確かにそこがこの作品のピークです。でもその大切な時間を撮影して公開している事実に対して、盗撮映像を観ているような変な気持ちになりました。そのような様々な場面をずっと撮り続ける監督と称したこの次女の人間性は少しズレています。辻仁成が中山美穂を追いかけ回す以上のキモチワルサがありました。
なかなかレンタルにならないので我慢しきれず購入しましたが、「映画」として成立していない作品でした。

やったもん勝ち、誰でも撮れます。
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