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べイビーわるきゅーれのmitzのレビュー・感想・評価

べイビーわるきゅーれ(2021年製作の映画)
3.3
2人の女子高生が殺し屋、それだけです。
親や友人の仇でもなく、ましてや世界を守るような壮大なテーマ性もなく、ただ生活のため躊躇なく人を殺める女子高生たち。2人のキャラクターを活かしたダラダラとした会話劇と綿密に稽古された殺陣シーンの緊張と緩和が心地の良い作品です。
死体の清掃員に雑な殺し方を注意されたり、中ボスのような演出で登場するMMA風の男が瞬殺されたり、暴力というコンテンツをほのぼのとした日常の営みとして描くコントラストがエンターテイメント性を創出しています。
登場人物の相関性が稀薄でラスボス女子を含めた全体の対立構造が明確化されていないため「殺人」という行為に対する倫理観の欠如は気になりますが、パッケージから漂う低予算作品としては及第点。ただ台詞回しがタラタラしてて聴き取り辛いのが難点。
スマホ片手に気軽に観ることのできる現代のニーズを満たした「教訓なし」「感動なし」のタイムパフォーマンス重視型の作品です。
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