まさかのワンシチュエーションものなんかい。「ソウ」や「キューブ」で育った身からするとワンシチュって単語だけで興奮するよう調教されてるのでファスビンダーのワンシチュってなるならそらもうあれよ
ペトラ・フォン・カントのドでか寝室で繰り広げられる三幕偏愛劇。で、一幕目のペトラから発せられる怒涛の美辞麗句のラッシュが全ワード金言で脳ミソのキャパが足りなくなる。映画での良き台詞って大抵は指で数えられるくらいなのでゆっくり噛み砕いて咀嚼したいものなのに、椀子蕎麦スタイルで半永久的に追加されるともう止めておくんなまし…とグロッキーになることを知った
そしてそんな金言ばくれつけんがちゃんと前フリなの洗練されすぎてて破壊力やばすぎませんか。どんなに歯切れの良い言葉で取り繕っても、というよりそれに酔いしれてしまうのは発言してるほうでもあって、言葉で盲目になってしまってるペトラはなんなら最初から存在しなかったはずの"愛"を追いかけて縋ってしまう。同じ様に一幕目に酔いしれた観客にこそその姿はよりキッチュに映る
何より部屋から動かない会話劇で120分間まったく飽きさせないカメラ構図がエグすぎて頭おかしくなるですよ……これぞワンシチュ………好き……………
