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TOKYO TRIBEのblacknessfallのレビュー・感想・評価

TOKYO TRIBE(2014年製作の映画)
3.6
数年振りに再鑑賞

ラップも原作も理解できないからと園子温仕様に徹したのが正解だった気がする。
評価も興行成績も良かった時期だからできたセリフの7割近くをラップにするという先鋭的な手法もこの映画を唯一無二の作品にすることに大きく寄与してる。

ストリートギャングのシマ争いに本物のギャングがある思惑から介入し東京が一夜に暴力と血の海になる展開はソリッドで観やすい。ストリートの設定までラップで紹介してくれるのもおもしろい。
各チーム(tribe)が各々自己紹介的にラップを披露するシーンの編集は圧巻。チームが変わってバックトラックも変わり次のチームのラップ始まる編集は純粋にPV的な快感がある。
この頃までは園子温は丁寧に撮る余裕と気力があったのかな?最近のとにかく絶叫させて脱がせておけばいいみたいな雑な感じはこの映画には皆無。でも、主人公の一人の女の子には無駄にたくさんパンチラさせてた笑
このパンチラはノイズだった気がする。『愛のむきだし』のようにストーリーの推進力になるようなもんじゃなかったから。

人肉が好物なギャングの親分、人を家具にするのが好きなサディストなギャングの息子、と猟奇的でぶっ飛んでるキャラも出てくるけど、出オチにすることなく撮ってる。特に親分の竹内力はよかったね、レクターから知性を抜いてイモータン・ジョーを足した暴力の狂王て感じで、この映画のギラギラして派手な世界観にあってた。
端役のチンピラから娼婦までパンチのあるリリックでラップするハイテンションな世界だからそこに王として君臨するのが普通のギャングじゃ説得力ないからね笑

そんなイカれたギャングとストリートギャング達の抗争が複雑な因縁の絡み合いから暴力、ラップ、暴力、ラップの激しく狂おしい応酬が延々続くラスト・バトルは耳が痛くなってくるけど、その圧倒的なカオスが心地好くなってくる笑
このバトルシーン、オリジナリティもなかなかだと思う。トラックを本人達が流し、ラップしながら殴り合うってラップ映画はいっぱいあるけど、この映画でしか観れないよ笑

有名なラッパーが出演してるから、かなりラップバトルのシーンはラップ好きな人にはかなりヤバイものだったらしいね。D.Oしか知らなかったな、地元が近くだからファンとかじゃなくてよく見かけてたから分かったというだけで笑
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