えばら

ミークス・カットオフのえばらのレビュー・感想・評価

ミークス・カットオフ(2010年製作の映画)
4.2
題名の意味は、「ミークさんが見つけた近道」。実際本当にそういう道が存在するらしいけれど、個人的には"カットオフ"という言葉が持つもう一つの意味である"遮断"の方が適している気がした。だって全然近道してないんだもん。

脚本用語で"Invest"という言葉がある。物語のクライマックスを印象付けるために、観客を映画の世界に引き込むことを指す。本作はその連続性を持ってむっちゃ"Invest"してくる。
台詞はほぼ無し。ひたすらオレゴンの砂漠を歩きまくる。最初は「広大だなあ」と思っていた景色も、さすがに途中で飽きてくる。やがて、「長いな」「まだ目的地に着かないの?」みたいな事を思い、そこでハッとキャラクター達と全く同じ事を思っている事に気付く。わお!Investされている!
多分監督が伝えたかったのは全然そこじゃなくて、画角や服装の視点から切り取ると、女性視点の西部劇あたりなんだろうな。

新たな因子として入ってくる原住民を対象に哲学的なテーマがぶち込まれる。難しいねえ。どうしたらいいのか誰も分からないけれど、最後に見える一筋の光には、丘の先に希望があると思わされてしまう。

個人的には凄く好きな世界観だけど、基本的にマジで歩いているだけなので、手放しに人にはお勧め出来ないかも。
にしても、あーーーめっっっちゃ喉乾いた。
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