えばら

トップガン マーヴェリックのえばらのレビュー・感想・評価

4.2
タイムスリップ系映画。だってニ時間以上あるのに体感は二十分くらいなんだもん。それなのに、二分半の作戦に十五分くらい使うんだもん。

"時間の長さを感じない"は、映画の作り手にとって最高級の褒め言葉のひとつだと思う。
それを可能にしているのは、余す所なく魅せてくる空中戦のかっこよさや、前作ファンが呻き散らすオマージュなど色々あるけど、あえて脚本について言及しておこう。

本作において脚本のセンスが光っているのは、説明描写のバランス感覚だと思った。
説明不用のポイントは徹底的に説明しない。F-14って何?集められた生徒達の特徴は?ペニーって何者?などなど。それでも私たちは彼らの行動やちょっとした台詞で何となく整理をつける。
逆にめちゃくちゃ説明してくるのが今回の作戦の難しさ。第二幕とかそれしかやってない。でも、それが戦闘機が離陸する時の滑走路のような役割を果たして、第三幕でめちゃくちゃ感情移入させられる。
ブロックバスターのお手本のような作品だろう。

斜に構えた見方をするとトムおじさんのオナニー作品でしかないけれど、操縦席の中から後方を撮るという技法を発見した奴のおかげで観ているこちらにもGがかかって無事にソファーが壊れました。
損得で考えると損かもしれないけど、やっぱり仕事は現場が一番楽しいしかっこいいなと思わされた。
えばら

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