えばら

カッコーの巣の上でのえばらのレビュー・感想・評価

カッコーの巣の上で(1975年製作の映画)
4.2
映画『フォレスト・ガンプ』をダークサイドに落としたらこうなる。
フォレストがその純粋さで希望を示してくれたのなら、本作のマックはそのずる賢さと漢気で希望を見せてくれる。

ルールって何のためにあるのだろうかと考えさせられる映画。真面目過ぎるが故に悪として描かれる娼長ですら、現代の価値観からみると正しい気がする。でも、時として正しいことの行いの先には幸せは待っていないのかもしれない。
規律やルールを重んじる日本で本作があまり語られないのは何となく納得できてしまった。

ジャック・ニコルソンと言えば『シャイニング』だったけど、見事に本作が代名詞として塗り替えられました。
今まで観てきた映画の中でも、マジでトップクラスの演技力。特に乱痴気騒ぎ中で酒を飲んだ後の表情。長回しで彼の顔ドアップ、台詞なし。なのに感情をぐちゃぐちゃにさせられました。

プロットも演出も良く非常に普遍的な物語でした。
まさに映画史に残る不朽の名作の名に相応しい一本。
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