えばら

アメリカン・スナイパーのえばらのレビュー・感想・評価

アメリカン・スナイパー(2014年製作の映画)
4.0
邦題のコピーは、「米軍史上最多、160人を射殺した、ひとりの優しい父親」。
これ書いた奴、絶対映画観てないだろ。

一見すると超優秀なスナイパーの苦悩を描いた作品のように感じられるが、本当のテーマは変化を拒むという人間の残虐性な気がした。
主人公のクリスは昔から「誰かを守る」ことに駆られて、周りの兵士が精神的な理由で離脱しているのに何度もイラクに戻る。それはもはや「ムスタファを倒したい」という傲慢さでしかなく、皮肉にも冒頭でクリス自身が傲慢さの危険性を説く。
愛国心タップリの映画に見えて、その実は脳筋ホモソーシャル軍団に対する戦争へのアンチテーゼだと感じた。

イーストウッド先輩はやっぱりこういう人間の感情の機微を描くのが上手。ブラッドリーさんも脂乗ってるなあ。
あとムスタファもかっこよかったぞ!
えばら

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