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私の男のdarumaのレビュー・感想・評価

私の男(2013年製作の映画)
3.5
鮮明な赤…(血の)繋がりという事なのか?降り注ぐ血の雨(これはイメージ)、リアルな血飛沫、そして傘。最後の傘が一番印象に残ったかも。二階堂ふみちゃん、確かにこれ凄いわ…実際に露出はしていなかったと思うんだけど、演技が!この時まだ二十歳前?凄すぎる…

ストーリーがちょっと不思議な感じで…
流されていったので単純な凍死かと思ったけど、もてるとか殴られたというのは、実際にはそういう事があって(抵抗の跡)、彼女の頭の中ではああいう風に変換されているという事?もしそうなら物凄く巧い演出。
血の雨のシーンからも現実と虚構が入り乱れている感じがしたので、個人的にはそうなのかなと思った。(原作未読なので実際は違うかも。でもそう感じさせる作りが素晴らしい)
本当の父親という話も虚実が曖昧な感じ…(本当にそうなのか、彼女が盛っているだけなのか。そう思い込む事によって繋がりを強固にしたいというような)

ちょうど紙の月を観た後で、罪を犯す人の気持ちについて敏感に考えてしまって、これはまさに自分の世界を守るため…確か彼女は冒頭で遺体を蹴ったと思ったんだけど、そういう環境で育った事が後に繋がっているのか?利用できるものは利用するという気持ちと、本当に愛情に飢えていたから支配するし支配されたいという欲望なのか…

役者さんは、前半河井青葉さんがめちゃくちゃメインだと思ったのに(最近名前を覚えた。こういう体張った役するんだ!というかむしろこっち系なの!?驚)、クレジット的にはそこまででもないのがやっぱり名前って事なのか…素敵な方なので多くの人に知られて欲しいなぁ。

あと、エンドロールで太賀くん!あの同級生の子か。わからなかった!
そしてピストルさん!えっ誰…って思ったら背負って走ってたお父さん!(いい役)さすが北海道ゆかりの方^^

個人的に昔ロケ地に住んでいたので、前半は風景にばかり目が行ってしまって話が頭に入らなかった…(配信の良いのは都度巻き戻せるところ)
本当に坂が多い町で。(冬場の運転がめちゃ大変)
海保確かにある(警察かと思ったけど、海保なんだよね?原作のwiki読んでる)
中学生の服装とかリアル!(下にジャージ)
バスターミナルまさしく本物…
でも、今は実際にはあんなに流氷は来ない(気がする…来たらガリンコ号大喜び!)そして乗っちゃダメ(笑)
ロケしていた時は全然映画に興味がなかったので知らなかったのだけれど、居たんだ!って感じ。少し前に知って、おおー観たい!と思って、今観られてよかった。

熊切和嘉監督は北海道御出身なのですね。
さすが…風景の切り取り方、土地の事、よくわかってらっしゃる。嘘がないというか、北海道の映画として安心して観られました。
(厳寒の北の大地はこういう寂しい作品の舞台になりやすい…原作者さんは北海道の方ではないのですね)

そして最近私が観る映画、美術が安宅紀史さんがち^^
(昨年おらおらでひとりいぐも→一連の沖田作品→あのこは貴族→紙の月→本作)
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