ちろる

私の男のちろるのレビュー・感想・評価

私の男(2013年製作の映画)
3.7
原作を読もうと思いながらも先に映画を観てしまった為、この映画のなんとも言えない後味の悪さで読めていないのが現状です。
二階堂ふみの演じる花の幼い風貌と仕草で巧みに隠した、独占欲と女特有の計算高い嫌らしさが本当に見事で、そうとしか見えない胸糞の悪い演技には脱帽し、浅野忠信が本当に何を考えているのかさえ分からない気持ちの悪いリアルな表情に鳥肌が立ち、どう頑張っても主人公2人の愛にどこにも共感できないままに映画を見終えました。

このお話を好きと言い切れる人は少ないと思いますが、私は、主人公の全く理解の出来ない人生を、怖いもの見たさで気づけば最後まで見入っていました。
そして、また、あまりにも胸糞の悪い2人親子の演技も、ある意味そう思わせるほどに壮絶に上手かったと言わざる得ないので、作品としては成功なのかもしれません。

映画で描かれる決して美しくはない、どちらかというとネチっこいエロティクさもこの物語を表現するにあたってはバッチリとマッチしており、見事で、こんな雰囲気アメリカやヨーロッパは絶対出せないんじゃないでしょうか。

また観たいかといわれればもういいやと思いますが、あのなんとも言えない粘り気のあり、暗く、救いのない雰囲気はなかなか他の作品では出会えないので、一回は観てみる価値はあるはずです。
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