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私の男のhzkのネタバレレビュー・内容・結末

私の男(2013年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

これはしばらく頭から離れないな…
これを観て、気持ち悪い!って思うのは批判でも何でもなく、すごく健全な感想だと思う。
でも私は嫌いじゃなかった。
神様が許さなくても私が許す、って言った花の言葉が全てじゃないかな。
お互いがいいならそれで。
極端に冷たい言い方をすれば、私の身内じゃないから近親相姦しようがどうでもいい。
歪んだ愛情は他人の言葉なんかじゃ壊れない。幼くして親を失った花と、親父になりたくてもなれない淳悟は他に繋がり方を知らない。
愛情の与え方を知らない淳悟にとっては、あれがきっと慣れたやり方だったのかも。
同じ血が流れてるから、っていう理由で間違った愛着が湧いてしまった花も、なんか悲しかったな。
お互いしか縋るものがなかった。
埋め合う方法があれしかなかった。
同じ考えに至ったのも、流れてる同じ血ゆえかな。
それにしても中学生から大人の女まで一本で演じ切った二階堂ふみが凄かった。
ネコの耳あてつけて、舌足らずな喋り方で無邪気に恐ろしいことを言うのにゾクッとした。
メガネのちょいブサな学生時代からラストの妖艶な表情は、本当に時が経ったように見えた。
脱げるから実力派!って訳じゃないけど、この人は20代の女優の中で頭一個も二個も出てるな。
二階堂ふみ×浅野忠信の組み合わせが絶妙すぎて、指の隙間から覗き見してしまう背徳感が漂ってた。
北海道の冬の描写も美しく恐ろしく幻想的。
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