2154年、世界は二分されていた。スペースコロニー「エリジウム」に暮らす極一部の特権階級と、スラム化した地球に暮らす大多数の貧民たちとに。地球で細々と働く主人公は職場の事故で被曝し、余命5日を宣告される。生き延びるにはエリジウムの万能医療ポッドを使うしかないが、合法的には不可能。レジスタンスに参加することでなんとかエリジウムに潜り込もうとする主人公だったが──
強化外骨格?とか記憶の転送とか脳さえ無事なら医療ポッドで治せるとかのSF要素で設定はまずまず面白い。
いきなり余命5日になるので主人公の動機が強くてわかりやすいのも良い。
ただ雑な部分もたくさんあって、SF要素を浅く詰め込みすぎて特徴を出せないそこそこのSF止まりだったように感じてしまった。
総評:面白いポイントもあるが借りて観るほどではない。
以下ネタバレあり。
雑に感じた点。
普通の輸送機にしか見えないのにポンポン大気圏突破していくシャトルたち。(技術の進歩とか重力の弱まりとかあったのかもしれない?)
同じく普通の携行火器にしか見えないのに大気圏外のシャトルに余裕で命中するミサイル。(同上)
ラストで医療ポッドを全人類に解放したけどそんなにリソースあるのか? 余裕で破綻するから今まで階級わけしていたのでは?
良かった点。
ラストで敵地に取り残されるレジスタンスとヒロインとその娘が、エリジウム市民になることでちゃんと安全が担保されたこと。
敵のボスが復活した時、脳さえ無事なら再生できる、と言われつつ、再生後も同一性が保たれているのか不安にさせるような演出。
リソースが足りるかもわからないまま全員に恩恵を寄越せと行動するレジスタンスの愚かさを描きたかったのであればラストも良い演出だった。
「今、カバの気持ちがわかった」