妻に先立たれ、生きる希望を失くし、首を吊る準備を進めるオットー。さぁロープに首を通そう……なんだ外が騒がしい。表に出ると、向かいに越してきたどんくさい一家が車を入れるのに四苦八苦している。見ちゃいられん。私にやらせろ。こうしてオットーの「死ねない日々」が始まった。
オットーが死のうとするたびにトラブルが起きて死なせてくれない。ちょっと緩めのダイハードが笑いを誘う。
もしかしたら最初はオットーのことが、社会の変化に馴染めないただの偏屈じいさんに見えるかもしれない。
でもオットーの過去が少しずつ語られるにつれ、彼はなるべくして今のオットーになったことがわかってくる。
そして向かいの一家と接するにつれ、オットーの偏屈さが良い方向に噛み合っていく。
総評:テーマは重いけど気軽にポジティブな気持ちで観れる。
以下ネタバレあり。
ルールを守らず点検を怠ったバス会社のせいで妻を失ったからこそ、細かいルールも守るように口うるさく言うんだろうな。
「ちょっとくらい」「すぐ戻るから」「みんなやっているし」身に覚えはないだろうか。『乱反射』を思い出して憂鬱になった。
マリソルの手料理とかクッキーを食べてウンウン頷くオットーが可愛い。素直に褒めないツンデレも良いw
一家に頼まれてベビーシッターするオットーが微笑ましくてずっと観ていられる。
だからこそ最後は心のなかで「アブエロォォォ!!??」って叫んでしまったよ。オットーじいさん、安らかに眠れ……。