広大な海を航海するサバイバル劇でいえば「ライフ・オブ・パイ」があったが、この「コン・ティキ」はまた別の魅力を持った映画に仕上がっている。
学者であるトールが唱えた学説は、これまでのボリネシア人はアジアから来たではなく、南米から来たと宣言した。
それを証明するため敢えて1500年前の材料によって作った筏であるコン・ティキ号に乗って遥かなる航海に乗り出す。
このあらすじだけでも困難な旅になるのは決まっている。
狭い船に5人の人間がいれば当然反発しあうし、嵐やサメなど自然の脅威も待ち受ける。
だが5人は諦めない。
己の主張を曲げることなく、信念を貫き通したことの証明は実話という足枷によってより強固なものとなる。
ほとんど完璧なサバイバル劇であり、小さな不満は一蹴される中身になっている。