一人旅

アドベンチャーランドへようこその一人旅のレビュー・感想・評価

5.0
グレッグ・モットーラ監督作。

1980年代のピッツバーグを舞台に、遊園地で働く青年の恋模様を描いた青春ドラマ。

監督を務めたグレッグ・モットーラ自身の実体験に着想を得た青春恋愛ドラマで、日本では劇場未公開に終わった作品ですが、切なさとノスタルジーに溢れた隠れた良作に仕上がっています。

1987年、コロンビア大学への進学を控えている主人公の青年:ジェイムズが、学費を稼ぐためピッツバーグにある遊園地「アドベンチャーランド」でアルバイトを始めるが、そこで彼は同年代の同僚であるヒロイン:エムと出逢い惹かれ合っていくが―という青春恋愛物で、特長として物語の主な舞台が地元憩いの遊園地であるという点にあります。遊園地で共に働く個性豊かなアルバイト仲間や上司との仕事風景&遊び&騒動といったエピソードを取り留めもなくコメディタッチに描写しつつ、主人公の青年と秘密を抱えたヒロインの恋の行方を時に切なくビターテイストに綴っていく青春ドラマで、最新式ではない遊園地のアトラクションやアナログ的な景品獲得ゲームがノスタルジックな風景となっています。

地元の遊園地で過ごした主人公のひと夏の恋とその後を描いて、ちょっぴり大人の階段を上っていく主人公の心の成長と新たな人生への門出を導き出した青春賛歌で、主演のジェシー・アイゼンバーグはこの手のナヨナヨ系キャラがよく似合っていますし、相手役のクリステン・スチュワートも役柄に合わせた陰性の演技を魅せています(彼女の特徴である“生気のない眼差し”は本作にうってつけ)。
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