さすらいの用心棒

ロマン・ポランスキー 初めての告白のさすらいの用心棒のレビュー・感想・評価

3.5
ロマン・ポランスキー監督の波乱に満ちた人生を追う対談ドキュメンタリー。

大好きな監督なので、この人がどんな目に遭って来たのか、どんな事件を起こしてきたのか、というのは知っていたけど、改めて壮絶な人生を歩んできた人だとわかる。
悲惨だった少年期のホロコースト体験、カルト教団による妻シャロン・テートの殺害事件、未成年への淫行事件など、ひとつ一つのエピソードがあまりにも重く、いまだ彼の中で尾を引いているのが彼の涙や表情などから感じられる。ひとりの人間が人生で負う体験にしては、あまりに多くのことを経験しており、監督といった肩書きとは無関係に興味深い話ばかりだった。
本作の監督がポランスキーの友人であり、インタビュアーであるために一方的に偏った内容ではあるとは思うし、他のスタッフやキャストなどのインタビューも見てみたかったので、ドキュメンタリーとしては不満は残る。ただ、それを補って余りある体験談ではあった。
ポランスキー自身が、死んだら墓に入れたいフィルムと言っていた『戦場のピアニスト』、早く見なきゃ。