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ラッシュ/プライドと友情のerikaのレビュー・感想・評価

ラッシュ/プライドと友情(2013年製作の映画)
4.0
1976年にF1世界タイトルを争ったジェームズ・ハントとニキ・ラウダをえがいた作品。

堅実で頭脳派なニキ・ラウダと奔放で感覚型なジェームズ・ハント。F1ドライバーとしてレースを走れるのは1チームに2人で、現在だと20席しかないくらい限られた世界。そんなモーターレースの最高峰で、プライドと命を賭けて戦う当人達にしか分からない葛藤とか喜びを垣間見た気分。正反対の性格な2人のライバルであり戦友でもある関係がドラマチックにえがかれていて見応えあったなー。

タイトルを賭けたポイント争いが絡むレースはめちゃめちゃ手に汗握って面白い✨私がF1にハマったきっかけも2007年の3人のドライバーがポイントを争う三つ巴のシーズンだったので、当時のハラハラ、ドキドキな気持ちをまた思い出しました。熱いレースでタイトルの行方に応援する側も力が入っちゃいますね。

ニキ・ラウダが事故したドイツのレースとか富士のレースとか恐ろしくて見ていられなかった。特に富士は、2014年の鈴鹿サーキットでのビアンキ選手の事故を思い起こさずにはいられない。台風による豪雨で道路には横切る川ができる程ピッチコンディションは最悪だった。それでもレースは開催されビアンキ選手はレース途中でクラッシュ、救急搬送され昏睡状態で一時は命を取り留めたものの後に目を覚ますことなく亡くなった。

あの時の「せっかく鈴鹿まで来たのに雨天中止だけはどうか」と身勝手に願った後悔と、ビアンキ選手の安否・回復を願う気持ちは一生忘れられない。当時はまだニキ・ラウダも存命でチームアドバイザーか何かをされていたと思うんだけど、彼はあの事故を見て何を思ったんだろうな。F1は命の危険を伴うスポーツだと忘れてはいけないし、映画でニキ・ラウダが言うように必要以上のリスクを負うべきではない。レース困難な状況でのレース中止を決断・受け入れる気持ちを、開催側も観戦側も持っていなければいけないなと思いました。
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