台湾とパリ、あの世とこの世、父と子、男と女、ふたつの時とふたりの時間が進んでいく。
観るのは2度目?ご飯食べたら眠くなってしまったんだけど、けっこう覚えてた。ワインのスーツケースのくだりは寝てしまい、なんだったか思い出せず。
ジャン=ピエール・レオーの出るところは完全に覚えてて、映画の中で短いながらも大きな存在感。
夜中、父の霊なら会うのが怖くて、トイレに行かず、ビニール袋に小便するシャオカン。カンカンカンカン腕時計の頑丈さを確認するように、鉄の柱にぶつけ続ける。
ラストだっけ?のパリの噴水のシーンがいい。
『大人は判ってくれない』の引用シーンがあるけど、こういうのって4Kレストアのときどうするんだろうか。
ツァイ・ミンリャンとリー・カンションの関係は、当然のごとくフランソワ・トリュフォーとジャン=ピエール・レオーの関係と重なる。なので、レオーが出る必然性も納得感もあり、パリで撮ったこの映画が完成されている。
Q&Aで二人が登壇。撮影話やジャン=ピエール・レオーとの思い出など聞けてよかった。出演交渉の際、カフェで会う約束の時間をレオーが間違えてて、「君たちは遅刻だから、もう会わない」と電話してきたそうだ。で、歯医者の予約があるからとカフェから去ってしまったとのこと。そこには飲みかけのコーヒーがあったそうだ。実にレオーっぽい話。その話は『ヴィサージュ』の中でも語っているそうだ。(観てるけど覚えてない)
リー・カンションはこの映画の話を聞いて、パリに行くことを楽しみにしてたんだけど、自分は台湾だけの撮影で、しかも自分の実家(『青春神話』も『愛情万歳』も『ヴィサージュ』も実家で撮影してるそうだ)でつまらなかったそうだ。でもクランクアップの時にパリに行けたそうだ。
ライティングはこだわっていたが、フランスが出資しているため、パリでの撮影はいつものカメラマンではなく、フランスのカメラマンだったそうだ。打ち合わせをして、撮りたい意図を伝えたところ、照明を使いたいとのことで、毎シーン照明を丁寧に作ったそうだ。