片思い相手の従兄（鶴岡修）を亡くした女子高生（東てる美）が、彼を死に追い込んだホステス（珠瑠美）に復讐しようとする。少女がオンナに変身するまでの通過儀礼を描いている、日活ロマンポルノ。

前半部は「女の魔性により、人生が破綻させられてしまう男」を描いていくドラマ。後半部は、ヒロイン役の東てる美が、見窄らしいホスト（影山英俊）と交流を続けるうちに、「女の魔性」を表出させていくドラマ。

鶴岡修、影山英俊、五條博という、常連男優陣が肩を並べているときの安定感が半端ない。あくまでもロマンポルノの主役は女優なのだが、その女優を担ぎ上げるための台座となる男優陣も並び称賛されるべき。

したり顔の狡猾な悪役を演じることが多い影山英俊が、本作では虚勢を張っている不器用なホストを生き生きと演じている。一方、主役の東てる美は、現場では扱いづらい女優だったらしいが、本気になったときの扇情的な芝居が、やはり抜きん出ている。

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雪山遭難で人格が崩れかけて果てには交通事故死してしまう鶴岡さん、不器用ながらもホストとして生きているが少女との純愛に目覚める影山さん、器用に立ち回りその少女を弄んでしまうホスト仲間の五條さん。ロマンポルノを初期から支える男優3人がそれぞれの役をきっちり演じていて感激。影山さんがこんなメインで輝くのは「牝猫たちの夜」か今作か。素人ぽさが残るヒロインの東てる美が影山さんと蔵王に立つ前夜、新宿あたりのホテルではじめてセックスの快楽を知ったのだなーとわかるあの表情や身体の動きが素晴らしい。エロマダム珠瑠美さんはもうベテランの存在感。

セーラー服に少し違和感のある大人顔だけど、まだまだうぶなJKヒロイン。
好きな彼が雪山で遭難し…

ヒロイン東さんの能面フェイスは魅力的だが、心情が分かりにくく、作品に変化の乏しい悪影響を及ぼしている。
見終わっても印象に残るシーンが思い浮かばない。

ヒロイン像にあわせ過ぎた幼稚な展開だが、東てる美さんだけを見るぶんには構わないかもしれない。

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