安堵霊タラコフスキー

ガーゴイルの安堵霊タラコフスキーのレビュー・感想・評価

ガーゴイル(2001年製作の映画)
4.2
カマキリのごとく性行為の際相手を殺してしまう病にかかってしまった人間の話

最初の方でわからなかったこの設定が徐々に明らかになっていくと、実際白熱して殺すシーン含め唖然としてしまったのだけど、その病にかかったヴィンセント・ギャロもベアトリス・ダルもめちゃくちゃ様になってて尚のこと恐ろしかった

でもその虐殺シーンで行為の最中に血飛沫があまり見られない不自然さみたいなところは残念で、もう少し身体の一部分だけ映したり悲鳴だけにしたりとか間接的な描写にした方が良かったのではないかと思った

それにしても血に染まる壁のシーンは勿論のこと、夜の照明や薄暗い早朝の場面等映像的に美しい箇所が散見され、さながらエドワード・ヤンの映画のごとき味わい深さがあり、それだけでも見た価値のある映画だったと言える

これまでクレール・ドニは敬遠してて、新作がカンヌで好評だったことで過去作を掘っているのだけど、これほどのものが眠っているのならもっと早く見ておくべきだったと後悔