改名した三島こねこ

魔法少女リリカルなのは The MOVIE 2nd A’sの改名した三島こねこのレビュー・感想・評価

3.6
<概説>

すべては一人の少女のために、二人の友達と四人の騎士の想いがぶつかり合う。世界を滅ぼす力を秘めた魔導書がもたらすのは再生か、それとも破滅か。大人気魔法少女シリーズ劇場版第二弾。

<感想>

初代劇場版はオリジナル要素がかなり重要でした。それと比較すると本作は"劇場版アニメ"というところに要点を置いた印象がありますね。

元々の『魔法少女リリカルなのはA's』は巨大組織の陰謀や、かつての魔導書事件との因縁といった陰鬱な要素が重かった。魔導書の性能も劇場版より悪辣で、騎士達との確執もあまりに深く。

そんな煩雑なパートを大幅にオミットしたことで、劇場版はバトルパートを魅せる編成に。空中戦での誘導弾とのチェイスなんて質が数段上に。

やってる主人公達は小学三年生なんだけどなあ…

アニメ三期との戦闘と比較すると、いかにこのシリーズの戦闘が過酷かわかります。魔法少女というフレーズでぼかしていても、やってることは死人が出るような戦闘です。熾烈。

他にも関連作との関連で見るとまた違う美点が。

『THE MOVIE 1st』の後だと、ヒロイン・フェイトの幻覚は胸に来ます。アリシアはお姉ちゃんだし、リニスは生きているし、お母様は優しい。

初代リインフォースも次世代リインフォースに造形を寄せているのがなんとも切ない。アニメ三期で唐突に登場した時は「なんやこやつ」と思ったものですが。

バトルパートが増えてもなんだかんだ結局シリアス。こうなると癒やしはヴィータちゃんだけですね。

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最後にアニメ組としての話。

「友達だ」
「悪魔でいいよ」

このふたつが改変されたのはアニメ組としては悲しい。後者は風評被害気味なのである程度仕方ないですが、前者はなんとか寄せて欲しかったです。