改名した三島こねこ

三十九夜の改名した三島こねこのレビュー・感想・評価

三十九夜(1935年製作の映画)
2.9
【簡単なあらすじ】
とある劇場で知り合った女が暗殺されたことによって、男は冤罪を被せられた挙句、国家規模の陰謀に巻き込まれていく。果たして彼は身の潔白を示すことができるのか。
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どうも他の方と趣味嗜好が合わないなと感じることがヒッチコック映画の鑑賞時には多々あるのですが、これはどうにもヒッチコックというよりも巻きこまれ型映画自体が苦手という個人的な嗜好のせいな気がしてきました。

冤罪→逃走→調査→推理→大団円

このパターンの作品は現代でもよく見かけますが、この時代のそれはどうも冤罪→逃走のシークエンスにおいて国家規模のなにかを混ぜがちなのが、スケールはあるにしても唐突だなあと。

不条理映画が理不尽映画に換言できるのだとしたら、それこそ不条理映画の元祖はこの時代にあってもおかしくないような気がする唐突さです。

────いやまあ。この時代は世界規模の大戦が多かったのもあっておかしいとは言えませんが。現代人的なスケールからは乖離している印象。

あとはやっぱりヒッチコックの描く女性の当たり外れがかなりデカイのはあります。

ヒッチコック、主体的に動く女性はかなりかっこいいんですけれどね。巻きこまれるタイプのヒロインになると、途端に記号的な要素の塊になる気が……