ポン・ジュノ監督作品初鑑賞。
スローで流れる痛みの伝わる肉弾戦の美しさと、
列車に押し込めた世界の縮図を突き付けてくるドラマパートの面白さに気分高揚。
劇場鑑賞して良かったと思える、ＳＦスペクタクル作は、国際色溢れるキャスティングも見所の一つ。
マーベルヒーローの印象が強いクリス・エヴァンスが、罪の意識に苛まれながらも自由を求めて戦う、野性味溢れる男を演じ上げて見せる。
ポン・ジュノ作品にはお馴染みのソン・ガンホが、飄々とするも腹に一物持つ曲者を好演すれば、ジム・ジャームッシュ監督の『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』の美しき吸血鬼・イヴ役とは似ても似つかぬ、傲慢な女性首相を怪演するティルダ・スウィントンと、俳優陣の魅力も全開。
終盤に最前列の秘密を知り、絶望の淵に沈む主人公の姿が良い。
そして救いの有無がハッキリしないラストカットも好み。
