FHT

スノーピアサーのFHTのレビュー・感想・評価

スノーピアサー(2013年製作の映画)
4.0
じわじわと面白くなっていくポンジュノらしい作品。
列車だけでスターウォーズくらいのスペクタクル作品を作り上げれるのは彼しかいないのではないだろうか。


あらすじ

温暖化を防ぐ為に投薬された薬品により、人類が住むに値しない程の氷河期が訪れた。その中で生き残れるのはスノーピアサーという列車内だけである。
その時に列車外にいた住人らは列車に入れたものの奴隷のように働かされた。


列車の先頭から後続車両にあたって上流階級から奴隷までの階級の差を車両ごとにつけている。
ここがお見事。
食事や扱いに差があり、体罰も受ける最後尾車両の人達は団結し、先頭車両まで突撃を試みる。

明かされる真実。ここからが面白い。

先頭車両に行くにつれて見えてくる世界がどんどん変わっていく。
学校があり、寿司屋があり、養殖場があり、クラブがあり。

こんな贅沢な暮らしをしてなんだよ!と怒るもののさらに展開していく。

それは先頭車両に辿り着いた時に明かされる。バランスというものだ。
このバランスというのもいわゆる政治的バランス。国を存続する為に、バランスを維持する為に犠牲はもちろんあり得る。
とこの列車を動かし続ける為にバランスを維持していたのだ。

ただ戒めの為に乱暴な扱いをしていた訳ではなく、この出来事を起こさせる為に仕組まれた心理的作戦だった。

ここで揺らぐ心。仲間の為に全てを止めると列車も止まってしまう。彼に従うと仲間はそのままだけど列車は動き続ける。


後半からの盛り上がり方好きだわー。
二転三転する作品は面白い。
FHT

FHT