es

10月の奇跡のesのレビュー・感想・評価

10月の奇跡(2010年製作の映画)
3.6
誕生日パーティーの画が琴線に触れた。イランの田舎町の夜道をぼんやりと照らす家の灯りのような、寂しさと切なさとなんとも言えない温かさを感じるシーン。

ペルーの10月のお祭り、エル・セニョール・デ・ロス・ミラグロスの聖行列。子守の女性が作っているのは10月(紫の月)には欠かせないお菓子「トゥロン」。
この祭独特の空気が何とも言えず良い。紫の衣装を着た男性信者達と白いベールを纏った女性信者達のコントラストが美しかった。

ペルーは1980年に経済破綻に陥った。あの老人は年齢からして大きな打撃を受けた世代だと思う。だから信用ならない銀行には預けずに知り合いの金貸しに預ける。

主人公が習慣にしているパンにゆで卵を挟んだ朝食。冒頭とラスト間近では同じものを食べているはずなのに味気なく感じる、という感情が無表情なのに画面から伝わってきた。
奇跡のキリストの行列の時期。クロスワードは当たったし奇跡は起こる。老夫婦は幸せな時間を共に過ごせるし、主人公は子守の女性と赤子に再会できると思う。
es

es